夜を喰んで生きる 星守閃理編

メイン

星守 閃理 折角だから、今日の終わりのKPは星守瀬理香さん、君に頼もうと思う。

KP そうだね、折角だから。
私に任せて。

情報

KP CoCシナリオ【夜を喰んで生きる】
よるをはんでいきる。

――――――

かなしいことがあったんだ。
今はただ、眠りたいのさ。

――――――
【概要】
ロスト率:中〜高(出目、選択などによる)
推奨技能:なし
備考:このシナリオにはフレーバー情報が散りばめられている。一回のプレイでシナリオ内のすべての情報を手に入れることはできない。

○こんなPLにオススメ
・雰囲気を楽しむシナリオが好き
・PCの死に場所を探している
・PCについてじっくり考えたい
・一人でひっそりと遊びたい

○こんなPCにオススメ
・もう二度と会えない相手を思い続けている。
・さみしがり屋であり、愚かである。
・ぼんやりとした希死念慮がある。

――――――

*もう二度と会えない相手について

・探索者が相手のことを強く想っているなら、関係性は任意。
→相手から感情を向けられていない、探索者の片想い、犬猿の仲などでも可。

・会えない理由は「もう二度と会えないと探索者側が認識している」のであればなんでもよい。
→例:(相手側が)ロストした、生き別れ、失恋、卒業、引っ越し、平行世界の住人、相手の人格の変化・喪失など。

・相手は別シナリオNPC、他PC、自PC、設定だけのキャラクターなど自由に考えてよい(シナリオ描写は人型を想定しているため、人外の場合は各自で補完してください)
→このシナリオが彼らに影響を及ぼすことはない。また、PCの行いがこのシナリオによって彼らに伝わることもない。

――――――

メイン

KP KPレス「夜を喰んで生きる」
早速セッションを開始いたしましょう。
PCは星守閃理くん。
いわゆる「A世界線」にて「月下に咲くキミ」を経た後……流石に数日は経ってるかな。
よろしくお願いいたします。

星守 閃理 うん、よろしく。

KP ――――――

こんな噂話がある。

日本のどこか、まるで異国のような鬱蒼とした森の中に、まんまるな湖がぽっかりとある。
湖の上にはぽつねんと古びたコテージが建っているが、渡るための橋はない。
しかし、湖がなないろに輝くふしぎな夜であれば、向こう岸に渡ることができるそうだ。

そして、そのコテージで寝泊りすると、自分にとってもう二度と会えないと思っていた特別な人物が現れるのだという。

――――――
――――――

星守閃理さん、あなたは深夜の森の中にいた。
半ば強制的に連れて来られたゼミ旅行先……
ここはあなたにとっては土地勘のない場所だ。

移動に車やバイクなどを使っていた場合、それらは故障している。
この時間帯に他の交通手段はない。
電波が悪いのか、携帯も使えない。
徒歩での移動を余儀なくされ、せめて森を抜けようと、道を歩いているところだ。

その場にとどまっていればいいものを、無謀にも歩き続けているのは……どこかで、期待しているからかもしれない。

森の中の湖、コテージ、もう二度と会えない誰かを求めて。

――――――
【目星】をどうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 66 > 成功

KP ――――――

あなたは森の影に隠れるようにして佇む動物の姿を見る。
それは確かに猿や猪など、あなたが見知った動物のはずではあるのだが、何か違和感を覚える。
動物は視界から消えてしまった。

――――――
次は【アイデア】だね。どうぞ。

星守 閃理 CCB<=90 【アイデア】
Cthulhu : (1D100<=90) > 51 > 成功

KP ――――――

違和感の正体に気づく。
たとえば、その動物の目は三つだった。あるいは足が六本ある。
なんにせよ、遺伝子という本来の設計図からは大幅に外れた「奇形」の動物だった。

突然変異だろうか。または、ほかの要因によって?
偶然、その一匹だけが? それとも、この森の動物全体が?

夜が思考を助長させる。
違和感の正体に気づいてしまった閃理さんは、答えの見つからない不安に駆られるだろう。

SANc 0/1

――――――

星守 閃理 CCB<=82 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=82) > 68 > 成功
それでも、いや、だからこそ、歩みを止めるわけにはいかないな。
こんな森の只中で夜は明かせない。

KP ――――――

暗い森の中を歩いていく。
土を踏みしめる音、靴裏に伝わる感触、匂い立つ古樹の香り、あなたの息遣い。
驚くほどに世界は暗く、ここに文明の輝かしい灯はない。樹々の葉のシルエットの隙間から、白々とした月の光がちらちら見え隠れしているだけだ。

とはいえ、あなたが携帯や懐中電灯などを持っているなら、少なくとも自身の周りだけは照らすことができる。
もちろん、心許ないものでは、あるが。

――――――
【INT*4】をどうぞ。

星守 閃理 CCB<=(18*4) 【INT】
Cthulhu : (1D100<=72) > 91 > 失敗

雑談

浦石 ミルラ わわ……アイデアでも失敗だあ……!?
せんちゃん、結構そういうこと、多いよね~~

星守 閃理 うん……もう、眠いのかも……

浦石 ミルラ うんうん、今日一日中、体感的には出ずっぱりだったもんねえ……

メイン

KP ――――――

視界がひらける。
そこには広大な湖があり、その中心に浮かぶようにして建つコテージがあった。
夢のような噂話が、いよいよ現実として目の前に現れた、のか?

呆然としていると、きらりと水面が光った。
風もないのに樹々がうねり、ざわざわと音を立てる。
続けてそこらじゅう至るところが、見たこともないスペクトルに輝き始めた。
色彩の狂った絵画を目の当たりにしているようだった。

――――――
【目星】をどうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 94 > 失敗

雑談

星守 天香 出目が、高いわ……!

浦石 ミルラ い、い、いちたりなーい!!

メイン

KP ――――――

いずれにせよ、あなたは疲れている。

コテージで休もうにも橋などはなく、泳ぐほかに渡る術はないと思うかもしれない。
しかし、あなたが水面に触れる、または足を踏み出すと、不思議と身体が沈まないことに気づく。

あなたは今、うつくしい湖の上を歩くことができるのだ。
そのことに、忌避感や恐怖はない。
今はただ、眠りたいだけだ。

深夜、極彩色の夢に導かれる夢遊病患者のように。
あなたは水上を渡り、コテージへ歩いていく。

――――――

雑談

星守 閃理 寧ろ嬉しいかもしれない?

浦石 ミルラ オオオニバスでもはしゃいじゃうくらいなら、水の上を歩けるなんてだいこーふんだねっ

メイン

星守 閃理 (歩いてる……今、僕は、水の上を……)
(すごいな、こんな得難い経験……)

KP ――――――

コテージに辿り着く。
安堵からか、どっと疲れが押し寄せてきて、ろくに思考することもままならない。
最低限、コテージに誰もいないことを確かめたあなたは、ギリギリの体力でどうにか寝室を探し、すぐに眠りにつくだろう。

――――――
数値14との【POW対抗】ロールをどうぞ。

星守 閃理 RESB(16-14)
Cthulhu : (1d100<=60) > 54 > 成功

KP ――――――

あなたは泥のように深く眠った。
やわやわと溜まった疲れが解けていく。
横たわった寝台は、埃と太陽の匂いがした。

――――――

星守 閃理 すよ…………

雑談

浦石 ミルラ おやすみ、せんちゃん!

星守 天香 ゆっくりお休みになってね

メイン

KP ――――――

起床。
堕落した休日のような心地よさ。
あなたは気怠さに任せて、寝台に体を預けている。
寝室の窓からは、さみしい夕陽が差し込んでいた。

そこでようやく、ここが自分の家ではないことを思い出す。
随分と深く眠っていた、らしい。

惰眠を貪ったせいか、どことなく倦怠感がある。
しかし昨夜のように、すぐに眠ってしまうほどではない。
あなたは身を起こし、行動することができるだろう。

――――――

星守 閃理 (……寝すぎた……)

雑談

星守 閃理 ゼミ旅行って事にしてるけど、僕、軽く行方不明者じゃないか?

星守 天香 そうね、一晩居ないとなったら、きっと物凄く心配して探してるわ……

情報

KP ○探索箇所

・寝室
・リビング
・キッチン
・バスルーム
・玄関

メイン

星守 閃理 「くぁぁ……」
欠伸しながら、寝室を改めて見てみよう

KP ○寝室

――――――

あなたが眠り、目を覚ました部屋。
オールドに統一された家具で構成される室内は、狭苦しくはないものの、どこか埃っぽい印象を受ける。

――――――
【アイデア】どうぞ。

星守 閃理 CCB<=90 【アイデア】
Cthulhu : (1D100<=90) > 72 > 成功

KP ――――――

あなたは寝室の様子を見て、一見長く使われていないように見えるが、その割に家具はきれいに保たれていると感じる。
おそらく、一か月に一度くらいは人の手が入っているのではないか、と思い至るだろう。

――――――

星守 閃理 その場合、此処に来るには湖を直接渡っているんだろうか。

KP そうだったらいいね。楽しそう。

それから、【目星】+50 も振ることが出来ます。

雑談

星守 閃理 +50??

浦石 ミルラ 自動成功かなっ?

星守 天香 いえ、この場合、99を最大値として振ると思うわ。
100ファンは失敗なの。

メイン

KP じゃあ、99で振ってね。

星守 閃理 CCB<=(93+6) 【目星】
Cthulhu : (1D100<=99) > 10 > スペシャル

雑談

浦石 ミルラ よゆーだあっ

メイン

KP サイドテーブルの上に、数冊のノートとペン、紙切れが置かれている。
ノートはどれも同じもので、おそらくは市販品だろう。ページは全て白紙だ。
紙切れには、特徴のない綺麗な筆跡でこう書かれている。

『ご自由にお使いください』

あなたはこのノートを持っていくことも、何かを書き込むことも、あるいはそれらをしないこともできる。


*ノートを持っていく場合、書き込むタイミングは閃理さんに余裕がある時ならいつでも構わない。
これはフレーバー要素のひとつであり、ノートを書く・書かないの選択によりロストすることはない。

星守 閃理 覚えてたら書くか……。持っていこう。

KP 寝室の情報は以上だね。

星守 閃理 とりあえず、目が覚めた事を記録しておこうかな。
夜に眠って、夕方に起きるなんて中々無い事だし。

KP 記録できたよ。

星守 閃理 ノートを携えて、リビングを見てみよう。

KP ○リビング

――――――

田舎風のあたたかみのあるインテリアで飾られたリビング。
少しかためのソファーとテーブル、アースカラーのラウンドクッション、床にはカントリーなラグが敷かれている。

――――――
【目星】をどうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 100 > 致命的失敗

KP え……?

雑談

浦石 ミルラ ええ……

星守 天香 これは……まずいわね……?

メイン

KP それじゃあ……

――――――

あなたはラグの少し浮いた所に躓いて転んでしまう。
思い切り頭を打ち付けて、ちかちかと視界に星が飛ぶ。
意識がふっと途切れそうになった刹那、あなたを心配そうに覗き込むあの子の顔が見えた気がして……

……すぐに、それは立ち消えた。

一瞬の白昼夢。
それでもあなたはその時確かに期待して、そしてすぐに裏切られた。

HP-1 SAN-1

――――――

system [ 星守 閃理 ] HP : 11 → 10
[ 星守 閃理 ] MP : 16 → 15
[ 星守 閃理 ] MP : 15 → 16
[ 星守 閃理 ] SAN : 82 → 81

星守 閃理 (うう、由貴ちゃん……)
バスルームに行って、顔でも洗おう……

KP ○バスルーム

――――――

洗面所、洗濯機、シャワー、バスタブ、トイレがまるっとひとつの部屋に収まっている。どれも使えるようだ。
古いタオルや、誰が使ったのかもわからないフリーサイズの服が、死体みたいに足元に散乱していた。

――――――
【目星】どうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 91 > 成功

雑談

浦石 ミルラ ええん、出目が高いよ~~

メイン

KP ――――――

散乱していた服の下に置かれた一冊のノートを発見する。
手書きで文章が綴られており、読むのには少し時間がかかりそうだ。

――――――

星守 閃理 時間が掛かるなら、後で読もう。
顔を洗って、床に散乱したタオルや服を入れて洗濯機を回して……お湯も溜めておこうかな。
お風呂に入りたい。着替え無いけど。
お湯が張るまでにキッチンへ行く。

KP ○キッチン

――――――

電気やガスなどは通っているらしいキッチン。
電子レンジや、冷蔵庫や、シンク。床下収納に、缶詰と飲料水の備蓄が大量にある。

――――――
【目星】どうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 28 > 成功

KP ――――――

床下収納の暗がりに置かれた一冊のノートを発見する。
手書きで文章が綴られており、読むのには少し時間がかかりそうだ。

――――――

星守 閃理 またか。うーん、玄関見てからにしよう。
鯖缶でも開けてつまみながら行こう。
お行儀悪いけど、今日くらい、いいよね。

雑談

浦石 ミルラ ミルラもサバ缶たべたーい!

星守 天香 夜だから、鯖缶の味噌雑炊でも作りましょうか。

浦石 ミルラ やったあ~っ

メイン

KP ではあなたは鯖缶をかしゅ、と開けて、割りばしで摘まむとそのまま口に放ってしまう。
もぐもぐと咀嚼しながら、玄関へと向かった。
○玄関

――――――

湿気った板の上に足を乗せる。
外はぐるりと湖に囲まれていて、扉のそばにはひとつのカウチが置かれていた。
陸へ繋がる橋などはない。
泳ぐには無理がある。
帰り道が、わからない。

――――――
【目星】どうぞ。

星守 閃理 CCB<=93 【目星】
Cthulhu : (1D100<=93) > 29 > 成功

KP ――――――

カウチの下に隠すように置かれたノートを見つける。
手書きで文章が綴られており、読むのには少し時間がかかりそうだ。

――――――

星守 閃理 ノートがいっぱいだな……。
どれから読もうか。

KP ちょっとだけ先読みしたんだけど、ひとつ読んだら今日が終わっちゃいそうね。

星守 閃理 そうなんだ……。
じゃあ、早い所鯖缶を食べてしまって、お風呂に入って、洗濯物を干してから寝ようかな。

雑談

星守 天香 生活してるわ……

浦石 ミルラ ごはんは作らないけど、結構それ以外の生活力あるよね~せんちゃん

星守 天香 料理されない事より、食事をあまり取らない事が問題だと思うわ……。

メイン

KP え、寝る?

星守 閃理 ノートをひとつ読むよ、もちろん。
choice[バスルーム,キッチン,玄関] どこで見つけたノートを読もうかな。
Cthulhu : (CHOICE[バスルーム,キッチン,玄関]) > キッチン
じゃあ、お風呂から出て自分の記録を済ませてから、寝室にてキッチンで見つけたノートを読もう。
――――――

夜の湖を渡って、泥のように眠る。
目が覚めたら夕方だった。

相変わらず僕はどんくさくて
リビングで転んだ拍子にあの子の姿を見た気がしたんだ。
結局気のせいだったけど。
当然か。

バスルームに色々散乱しているのが気に食わなくて、全部洗濯機に放り込んだ。
その間に鯖缶を食べたらお腹いっぱいになってしまった。
昨日の夜から何も食べていないはずなんだけど
元から小食だったのが輪をかけて食欲不振なんだ。

帰ろうにも帰れないし、仮に湖を渡れたとして、また夜の森を彷徨う事になるのは嫌だから今日はもう休むことに頭を切り替えた。
あたたかい湯に浸かって、加湿器代わりに洗濯物を干して。
最近の僕にしては、中々きちんと生活した方だと思う。

結局、こうやって生きる事をやめられやしないんだからさ。
浅ましく、今日も生きてしまったよ。

――――――

KP 記録できたよ。
――――――

あなたはキッチンから見つかったノートを読む。

情報

KP ―――

最悪の夢だと思った。
あいつが僕の目の前で笑っている!
でも、あれはあいつじゃない。
わかっているから、なおのこと嫌だった。
僕はあいつが大嫌いだ。僕が死ぬまで大嫌いだ。ずっとずっと大嫌いだ。
明日には帰る。

あれは学習している。
僕はもう気付いている。あれが僕の魂を喰らっていること。
僕を喰らえば喰らうほどに、あれはあいつに近づいているんじゃないか。
それは恐ろしいことのはずなのに、なぜか夜を待っていた。
月明かりの下、僕たちは湖の上でダンスをした。
僕はあれの腕の中で、木の葉のように頼りなく揺らされるがままだった。

ミラーボールが僕らの中天に輝く。極彩色の散光。

僕は、あいつが生きていたら、きっとこんなことはしてくれなかっただろうと思った。
おねがいだから、明日こそは帰らせてくれ。
おねがいだから。

―――

メイン

KP ノートを読み終わる頃には、夜もすっかり更けていた。
今日も日常へは帰れそうにない。
どことない虚しさが辺りに漂っていた。

――――――
――――――

夜だ。夜がやってきた。

そして、湖が見たこともないスペクトルに色づき始める。
石油を垂れ流したような不快な色だ。
しかし、あなたは不思議と穏やかな気持ちでその侵色を眺めている。
周囲の木々は揺れ、うねり、せわしなく何かの到来を感じさせる。

気づけば水上を滑るように、なめらかな動きで人影が迫ってきていた。
それは、あなたの忘れがたい人物……夜門 由貴さんによく似ている。
あなたの記憶という巨大なキャンバスから抜け出してきた、油彩の亡霊。


SANc 0/1d4

――――――

星守 閃理 CCB<=81 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=81) > 72 > 成功
「由貴、ちゃん……? いや、これは由貴ちゃんじゃ、な……」

KP ――――――

あなたは、由貴さんに何かを語りかけるかもしれない。
だけど彼女はなにも答えてはくれなかった。
そうして、あなたは当たり前のことに気がつくだろう。
これはあなたの思い描く誰かではない。
見た目だけ取り繕った、虹色の幻なのだ。

それでもなぜか、恋しかった。離れがたかった。
代替品に胸を焦がす瞬間ほど、むなしいことはない。
どこかでわかっていることだった。けど。

粘性を伴った風の流れを感じる。
由貴さんはもう目の前に立っていた。
あなたに向かって虹色の手を伸ばす。
妖精の踊りのように、軽やかに。


あなたは……

――――――
――――――

なないろのうつくしい手と手をとり合って、あなた方は駆け出していく。

重ねた手に、熱を感じた。
ぱしゃぱしゃと水が跳ねる。
足がもつれる。

湖は、あなたたちのダンスフロアだった。

木々が踊っている。
あなたたちも踊っている。

由貴さんは、でたらめにあなたを揺らしていた。
あなたはさながら風に揺れる柳だった。
言葉のない、暴虐の嵐が吹き荒れていた。
必死にしがみつきながら、ふと、実感する。


ああ、僕たちは生きている!

――――――
数値14との【POW対抗】ロールをどうぞ。

星守 閃理 RESB(16-14)
Cthulhu : (1d100<=60) > 52 > 成功
「ゆきちゃん、う、ぁ、ゆき、ちゃん……っ!」

KP ――――――

あなたはこのまま湖に突き落とされやしないか、とって食われるのではないかと、本能的な恐怖を覚える。

半月が、冷ややかに見下ろしていた。

そうだ、月は夜の目だ。
僕たちは見られている。汗だくになって息を切らし、髪を振り乱し、服をはだけさせ、足元を濡らした姿を。
なんという恥だろう!

かっ、と脳が熱く痺れる。

あなたの意識は攪拌され、前後不覚になり、そしてなにもかもが失われた。

――――――

……
…………
――――――

起床。
堕落した休日のような心地よさ。

いよいよそれはあなたを蝕んでいる。
不健康と不摂生、身体の不調は精神に影響を及ぼすだろう。

ふと辺りを見渡せば、そこは玄関の外だった。
扉のそばに置かれたカウチで眠っていたようだ。

軋む関節を無理やりに動かすと、頬に風を感じる。
凪いだ湖が夕陽を照り返していた。

――――――

星守 閃理 「ふぁ、……また、夕方か……」

KP ええと……そうね。
閃理さんは玄関を調べ終えてはいるけど、玄関のノートはまだ読んでないよね。

読みますか?

星守 閃理 じゃあ、読もう……

KP ――――――

あなたは玄関から見つかったノートを読む。

情報

KP ―――

あたしはパパのことが大好きよ。
だけど、あたし、もう行かなくちゃなんない。
夜はいつか明けるわ、パパ。
そうよ。やってやるのよ、あたし。
ひとりになるの。
さみしい世界へ行くわ。
あたしのこと、ゆるしてね。

霧はすべてを覆い隠してくれる。
パパのすがたも。
あたしのすがたも。
ふたりの罪も。

そして、道を切り開くの。

―――

メイン

KP また、このノートには筆跡の異なる別の紙が挟まれている。

――――――

星守 閃理 「いろんな人が、此処に来てるんだな……」
紙に目を通す。

KP ――――――

挟まれていた紙には、次の呪文が記載されている。

情報

KP ―――

【立ちこめる夜霧】(基本271pベース)
3MPと1d2のSANを支払う。
霧を立ち上らせる水域の水をボウルかカップに入れ、その水面を撫でるようにそっと吹くと、水域から濃い地上霧を発生させることができる。
呪文をかけることができるのは夜間だけである。日の出と共に霧は消える。

―――

雑談

浦石 ミルラ あ! このじゅもん……!

黄金崎 織馬 うん、懐かしいね!

メイン

KP 閃理さんはこの呪文を修得する。

――――――

星守 閃理 また、呪文か……。
とりあえず、洗濯物を取り込んだら、少し掃除をしておこう。
冷凍ほうれん草をレンジでチンして、ツナ缶とマヨネーズをかけて食べようかな。

雑談

星守 天香 また、生活してるわ…………

浦石 ミルラ えーんえーん、せんちゃん、帰って来て~!!

星守 天香 そうよ。
由貴さんや十哉さんの事が一等大事なのはわかるけれど、親戚である私たちのことも、時々少しは思い出してほしいものだわ。

星守 閃理 忘れてるわけじゃないよ。

メイン

KP ――――――

では、あなたは身の回りの整理をきちんと済ませた。
それは、此処に留まるのが一時的なことであり、いつかは帰ることを念頭に置いているからこその行動だろう。

――――――

雑談

星守 天香 瀬理香さん……!

メイン

KP ――――――

あなたは選ばなくてはならない。
選べるうちに。ここを離れようと思えるうちに。


すぐに、夜がやってくる。
湖が虹光を孕む。
人影が、さみしく佇んでいる。


あなたは……

――――――
――――――

呪文を見つけたあなたは

あなたなら、どうすればいいか分かっているはず。

――――――

星守 閃理 【立ちこめる夜霧】を使う。

KP ――――――

あなたは湖の上に足を乗せる。
そう、あなたは歩ける。走ることもできる。今、この瞬間、虹色の水の上を。

このまま【立ちこめる夜霧】を使用して、この場から逃げることができるのではないかと思うだろう。

――――――
――――――

あなたは明確にここを去るという意志を持ち、呪文を行使することができる。

――――――

【立ちこめる夜霧】
[MP-3、SAN-1d2]を消費。

system [ 星守 閃理 ] MP : 16 → 13

星守 閃理 1d2
Cthulhu : (1D2) > 1

system [ 星守 閃理 ] SAN : 81 → 80

KP ――――――

あなたは手に水を掬い、ふうっと息を吹きかける。
すると、目の前の誰かの輪郭はすっかり霧に覆われてしまった。
樹々のざわめきが一層激しくなっていく。

――――――
――――――

あなたは一歩を踏み出す。
霧の中、明滅するのはいつかの思い出のようでもあり、恐ろしげな何かの幻のようでもある。

あなたの中にははじめ、わずかな希望があったのかもしれない。
しかし、ここにはなにもない。あなたの望むものは、なにも。

だから帰らなくては。ここを終着点とするわけにはいかないのだ。
本当は、終わってしまってもいいのかもしれないけど。
それはあんまりにもむなしいことだ。

誰が決めたわけでもない、ただ……一般的には、そうなのだろう。
きっと。

――――――
【幸運】を、どうぞ。

星守 閃理 CCB<=80 【幸運】
Cthulhu : (1D100<=80) > 60 > 成功

KP ――――――

幸いにも無事、岸に辿り着く。
あの色が何かをしてくることは、ついぞなかった。
一抹のさみしさと、それ以上の不気味さ。

振り返れば霧が立ち込めており、コテージも、湖も、もはや見ることは叶わなかった。

――――――

星守 閃理 (だって、やっぱり、あれは由貴ちゃんじゃないから)

KP ――――――

あなたはその場を離れ、暗い森の中を行く。
こんなことなら、さっさと森を抜ける努力をすればよかった、なんて後悔もあったかもしれない。

しかし、動植物のうごめく音はことさら夜の恐怖を助長させ、似たような景色がここでは延々と続いていく。

木。木。木。木。木。乱立する木々。

あなたは夜の迷子だった。
もうどこにも行けやしないのだと、あの子の囁く声が聞こえる気がした。


――――――

星守 閃理 「……うるさいな。そんな事、僕の由貴ちゃんだったら絶対に言わないよ」
「死ぬまで、死んでしまっても、また次も」
「また一緒に、どこまでもいけるように」
「それがゆるされるようになる日まで、僕は生きるんだ。
 お願いだから、偽物は黙っておいてくれ」

KP ――――――


永遠に続くかに思われた迷路も、歩みを止めない限り、いつかは出口に辿り着く。
森を抜ける頃には朝になっていた。

清涼な風が肌を撫でていく。
朝焼けは夜の残滓を喰んでいく。

あなたはその後、ゼミのメンバー達に半泣きで保護されて、日常へ戻っていくだろう。
車や携帯なども、森を離れた後はいつのまにか不調が直っている。

なまぬるい堕落の味を知ってなお、まだ立ち止まることはない。
あなたは生きている。
今は、たったひとりで、朝日の照る道をゆく。

――――――
「夜を喰んで生きる」 ED1・夜を喰んで生きる
閃理さん生還でシナリオクリアです。お疲れさまでした!

星守 閃理 ああ……お疲れさまでした。

情報

KP ■クリア報酬

・生還→SAN回復+1d6
・ノートに書き込んだ→〈芸術:詩的表現〉や〈制作:執筆〉などPLの思いつく好きな執筆技能どれかひとつに+5


■成長

目星5

成長

星守 閃理 1d6 生還報酬
Cthulhu : (1D6) > 1

system [ 星守 閃理 ] SAN : 80 → 81

星守 閃理 〈制作:執筆〉に+5
CCB<=93 【目星】1/5
Cthulhu : (1D100<=93) > 64 > 成功
CCB<=93 【目星】2/5
Cthulhu : (1D100<=93) > 54 > 成功
CCB<=93 【目星】3/5
Cthulhu : (1D100<=93) > 5 > 決定的成功/スペシャル
CCB<=93 【目星】4/5
Cthulhu : (1D100<=93) > 46 > 成功
CCB<=93 【目星】5/5
Cthulhu : (1D100<=93) > 70 > 成功

メイン

星守 閃理 ふぁ……本当にもう、眠いな。
結局僕は、何のために連れ回されたんだ?

星守 瀬理香 あらあら、知らずにいたの?
由貴ちゃんが帰ってくるかもしれないから、それまでに「こういう感じ」のシナリオを回っておこうっていう事だったの……聞いてない?

星守 閃理 そう言えばそうだったかもしれない。
もう覚えてないな。
そもそも、それって本当の本当に今度こそ僕の由貴ちゃんなの?

星守 瀬理香 シナリオを周りすぎて疑心暗鬼になってる……
さあ、それは私にも分からないよ。
でも、そうだったら、いいな。
そうだったら、私も嬉しい。

星守 閃理 君には関係無いのに?

星守 瀬理香 もう、全く関係無いわけじゃないでしょ。
私だって、もし君と同じ立場に置かれたら……
きっと、寂しいだなんてものじゃないだろうな、って思うもん。
想像できないよ。由貴くんがそばに居ない日々なんて。
だから、君も由貴ちゃんのそばで幸せそうにしてくれている方が、私は嬉しい。

星守 閃理 そういうのは、他の世界線の僕に任せたらいくらでもヘラヘラしてくれるよ。

星守 瀬理香 だから、その言い方。
自棄になっているのは分かるけど、そういう棘のある言い方は今後も君を苦しめると思うよ。
折角頭が良いのに、これから先生にもなるっていうのに、そういうのは良くないと思う。

星守 閃理 ……ごめん。
折角最後にKPもしてもらったっていうのにね。

星守 瀬理香 分かってるなら、別にいいよ。
KPするの初めてだったけど、このシナリオで、君のKPが出来て、良かった。
ありがとう、閃理くん。
またこうやって遊んでね。

星守 閃理 お礼を言うなら僕の方こそ……
KPをしてくれて、生かそうとしてくれて、ありがとう。

そうだな、また……由貴君に、妬かれない程度にね。

星守 瀬理香 え? ふふ、そんな事無いよ。

星守 閃理 え?

星守 瀬理香 ???

星守 閃理 君もINTが飾りのタイプか……。

星守 瀬理香 そこは君と一緒にされたくないな。

星守 閃理 はは、ごもっともだ。

星守 瀬理香 それじゃあ、今日は一日お疲れ様。
きっとお疲れだろうから、きちんと眠って、また良い朝を迎えてね。
おやすみなさい。

星守 閃理 ああ……本当に色々とありがとう、瀬理香さん。
おやすみなさい。